Little $uzie Apartment Pop-up Shop

アパレルブランドの1週間限定ポップアップショップのデザイン。

通常、壁面の装飾やレンタル什器などによって構成されることの多い百貨店でのポップアップショップでは、その場のみで消費、廃棄される要素に大きくコストがかかる。また、どうしても商品の陳列量が重視され、空間体験を含めたブランド自身の表現まで行き着くことは難しい。

前回設計した同ブランドの大阪の実店舗のように、余裕のある空間の中で商品を眺められるような状況を、騒々しい百貨店内のポップアップショップにおいて作り出すことはできないかと考えた。

そこで今回は、一時的に使用されるだけの装飾を排除することでコストカットし、再利用が可能なオリジナル什器を製作、その配置関係のみによって店舗空間を成立させる最小限の構成とした。

什器は、売場面積25㎡の店舗に対して、約3.5x1mのハンガーラックとテーブルを1台ずつ製作した。この2つの大型什器が空間において大きな割合を占めることで、什器同士の配置関係が空間をダイレクトに規定する重要な要素となる。

限られた売り場エリアにおいて、什器の互いの距離感を微細に調整し、既存壁面、什器、商品それぞれの存在感を際立たせながら、ゆとりのある均衡状態を生み出すことを意識した。

また、什器の形状を直線と曲線が組み合わさった不整形とすることで、通路や他店舗との境界が曖昧になり、より空間の広がりを感じられるようにした。

この什器を使用した次のポップアップショップも決定している。空間を構成する要素が同じでも、環境が変わることによって配置関係に変化が生まれ、その場、その時にしか立ち現れないポップアップショップの空間が実現するだろう。 

Collaboration with Masaki Kato

Photo by Natsumi Kinugasa

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